真珠の養殖が始まってから、すでに1世紀近く経過しましたが、
ウィルス感染によるアコヤガイの大量死や、真珠摘出後の廃棄貝、
また排水などの影響で海水の富栄養化が進むというような諸問題から、
日本のアコヤ真珠の生産量は低下しているようです。
真珠の養殖は、核と外とう膜上皮を、貝に挿入するだけの作業で、品質・構成は
天然真珠と変わらないといわれています。
ただ、核入れをしたら何もしなくていい、というわけでもないようです。
英虞湾で、母貝が真珠をはぐくみ、真冬は母貝を五ヶ所湾へ避寒させ、
また暖かくなったら英虞湾に戻すという作業があるようですね。
核入れから2年ほどで、商品となるパールが生まれるのです。
中でも良質のパールは、全体の三割ほどにも満たないようで、「花珠」といわれる
パーフェクトな真珠は、さらに少なく全体の5パーセントなのだとか。
パールの場合、養殖といっても簡単に画一的に量産できるものではなく、
天候や環境にも大きく左右され、自然の時間の流れの中で、
ゆっくり育て上げる貴重な粒の集まりということですね。
最近では、進む海洋汚染に対して、真珠の母貝となる貝の住環境を改善することや、
アコヤの廃棄貝の利用などの問題に取り組み、新たな展開へと生かしていく産業の動きが見られます。